「ジバンシィ(GIVENCHY)」が7月2日、クリエイティブ・ディレクター マシュー・M・ウィリアムズ(Matthew M Williams)による2022年スプリングコレクションを発表した。パリの鉄道操車場を舞台に行ったランウェイショーの映像をデジタルで配信。プレコレクションでランウェイショーを行うのは初めてで、グラフィック・アーティストのChitoや「リモワ(RIMOWA)」とのコラボが発表された。
■ウィリアムズのルーツと現在地が融合
マシュー・M・ウィリアムズは、昨年10月のデビューコレクション以降、「ジバンシィ」でウィリアムズのルーツやエッセンスを惜しげもなく注ぎ込んだコレクションの発表を続けている。ファーストシーズンの2021年春夏は新生ジバンシィのシンボルとして「ハードウェア」を発表。パドロック(南京錠)をモチーフとしたストリートでも人気を集めそうな提案に、ウィリアムズが「1017 アリクス 9SM (1017 ALYX 9SM)」で生み出したローラーコースターベルトを思い出したファッション好きは多いだろう。続く2021年秋冬は音楽に着想したコレクションで、ライブ会場のようなスタジアムでショーを行った。レディー・ガガやカニエ・ウェストらミュージシャンの衣装を手掛けキャリアを築いたウィリアムズの経歴を知っていれば、パーソナルなテーマだとわかる。そして今回発表された2022年スプリングでは、ウィリアムズのルーツがテーマに。シカゴで生まれカリフォルニアで育ったウィリアムズの出身国である「アメリカ」と、パリでの新しい生活の融合を試みたという。
デジタルで配信されたランウェイショーの舞台はパリの鉄道操車場。ウィリアムズのアメリカからフランスへの旅路を想起させる映像は、ジャスミン・ロイグノンが撮影した。ジバンシィを身に纏った男女が自由の女神の誘いに応じ、アーバン・アドベンチャーを求めて動き出す。街の中を自由に歩き回る彼らの姿を通して表現されるのは 「越境」の概念。フィルムの最後では、自由の女神像とエッフェル塔が出会い、ニューヨークとパリが一つになるストーリーだ。
■グラフィック・アーティスト Chitoとコラボ
本コレクション最大の目玉は、メキシコを拠点とするアーティストで、ウィリアムズの友人でもあるグラフィック・アーティスト Chito(チト)とのコラボレーション。エアブラシによるグラフィックの制作をChitoに依頼し、保護と忠誠の象徴である犬のイラストなど、Chitoが描く風変わりなキャラクターが、ウェアやアクセサリー、そして「リモワ(RIMOWA)」のスーツケースに取り入れられた。ジバンシィのDNAとChitoのシグネチャーが融合した「4Gハート」は、コントラストカラーで登場。なお、ウィリアムズ率いる「ジバンシィ」にとって今回が初のコラボレーションとなった。
■シャープな仕立てに光る「装飾」
トップスやハンドバッグに取り入れられた蜘蛛の巣のモチーフなど、強さと脆さを持ち合わせたデザインは手工芸のアプローチで表現。新生「ジバンシィ」をイメージ付けるチェーンやメタルビーズ、クリスタル、バンダナといった装飾が、パファージェケットやシンプルなカットアウトドレスを個性的に演出している。アクセサリー類では、新しく開発されたハードウェアがジバンシィのシグネチャーバッグの魅力を引き立て、Chitoが描くピエロはジュエリーとなって登場した。
■11月の発売に先駆けコラボT登場
今回発表された2022年スプリングコレクションは、2021年11月5日から店頭に並ぶ予定だ。
なお、本コレクションの配信直前に「ジバンシィ」のアンバサダーである片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)がFASHIONSNAPのインスタグラムライブに出演した際、未発表のTシャツを着用していた。これは、コレクションに先駆けて7月16日にオンラインで発売されるというChitoとのコラボレーションアイテム。インスタグラムライブではTシャツについて紹介したほか、「ジバンシィ」をはじめファッションや音楽についてトークを披露した。インスタライブのアーカイヴ映像はFASHIONSNAPのインスタグラムから視聴できる。